そっと、はてなブログ

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トラックバック機能は、はてなブログではリストラ対象なのか?

 id:jkondo のブログ記事を読んで驚いた。リアルにコーヒーを噴いた。

はてなブログにはトラックバックを組み込みませんでした。しかしベータ版開始以降、一度も「トラックバック機能を付けて欲しい」という要望をもらっていません。ブログから、「コミュニケーションツール」としてのニーズが消えてきている事をよく表しています。

 今、ベータテスト中のはてなブログトラックバック機能は無い。しかし、正式リリースされた後のはてなブログにもトラックバック機能は実装しない可能性を示唆しているように、この文章からは読める。つまり、今私が書いているこのブログ記事からは、jkondoのブログ記事に向けて今も、そして未来も、トラックバックを送信できないのだ。

■誰のためのトラックバック

 もちろん単に「あなたの記事に言及しました」と言及元のブログ記事の書き手に通知するのであれば、トラックバック以外にも色々な方法がある。相手がはてなユーザーなら、自分が書いた記事の中に相手のはてなIDを書き込む事でIDコールを飛ばして通知する事ができる。あるいはもっと単純に、言及元のブログ記事のコメント欄に「あなたの記事に言及しました。記事のURLはxxxです」と書き込むことでお知らせが可能だ。たしかに、それでいいのかもしれない。言及元のブログ記事の書き手にアピールするだけなら、それで用は足りるのかもしれない。

 しかし、トラックバックで通知する相手とは、はたして言及元のブログ記事の書き手だけだろうか?

 トラックバックは言及元のブログ記事の読者にもアピールするものではないだろうか?少なくとも自分は他人のブログ記事を読む時、トラックバックを見る。面白い論考のブログ記事であれば、それに言及しているブログ記事もさらに面白い論を展開しているのではないか、と期待してトラックバックしているブログ記事をチェックする。

 もちろん読者への通知だってコメント欄に書き込めば事足りるかもしれない。しかし、複数人による短文コミュニケーションで綴られるコメントの場と、一人の個人が自分と向き合いながら時間をかけて推敲し書き上げた長文のブログ記事による言及通知の場とは分けられるべきではないか?

ハイパーテキストとしてのトラックバック

 自分がブログに興味をもったのは、たしか2004年頭くらいの事だとぼんやり記憶しているが、トラックバック機能について知った時に、軽く興奮した事を覚えている。

 紙の記事は文末の註に言及元を明示することで、参考にした記事へ「リンク」を張ることが出来る。しかし、言及された側の記事から言及した記事への「リンク」を辿る事は出来ない。紙の場合は未来に書かれた記事が、過去の記事に書き加える事はできない。

 一方、ブログ記事は言及元の記事へとリンクを張ることも出来るし、さらにトラックバックを送信することで言及された側の記事から言及した記事へのリンクを動的に張る事も出来る。ブログ記事は、未来に書かれた記事が過去の記事に書き加える事も出来るのだ。

 インターネットの中で出会った記事が、その後どのように言及され、どのように議論が展開していったのか。読み手はトラックバックを辿る事で追跡することができる。これは紙の世界では体験できなかったスゴイ事だと驚いた。今盛り上がっている議論の発端は何か、現代から過去へと遡る事は容易だ。しかし逆にかつて盛り上がった議論がその後どのように展開していったのかを辿る事は困難だ。しかし、ブログ記事ならトラックバックを辿る事でそれが出来る。

 トラックバックは単にフローなコミニュケーション機能ではない。ストックだ。時間を経過するごとにトラックバックを介してブログ記事が連なっていく。記事が投稿されてから何十年後もトラックバックが付くかもしれない。もしかしたら、そのブログ主が死んだ後も。そして多くの人が言及する優れたブログ記事の文末には、勲章のように数多くのトラックバックが輝くはずなのだ。

トラックバックはオワコンなのか

 それから8年近く。あちらこちらに幾つかのブログを立て、駄文を垂れ流してきた。幾つもトラックバックを送ったし、トラックバックを受け取った。

 あの当時の知的興奮は、今や恥的興奮を掻き立てる出会い系やエロ動画系サイトからのトラックバック・スパムの嵐で、自分としてもすっかり醒めてしまった。

 ネットで出会った面白い記事への言及記事のチェックは、ノイズの多いトラックバックを見るよりも、はてなブックマークのエントリーページの「このエントリーを含むエントリー」でチェックすることの方が多い。

 代替的なサービスもある。zenback も良い。アクセス数向上にも効果的だった。ただ、読み込みが重い事が多く、自分は、はてなダイアリーから外したけど…。

 確かにトラックバックは時代遅れなのかもしれない。『人生がときめく片づけの魔法』の近藤麻理恵女史からは「絶対使いません。捨ててください。」と一喝されるような機能かもしれない。単なる感傷なのかもしれない。しかし、しとしとと雨が降り続く今日の天気のように、なんだか心がモヤモヤするのだ。

 今求められているブログサービスって、どんなものなんだろう?