はてなブログはユーザーがドメインを選択する事ができる。これは、はてなが提供してきた従来のサービスとは異なる点の一つだ。
ドメインを選べます
ブログごとにドメインを設定してご利用いただけます。トップページから先は、すべてあなたの領域です。はてなID(ユーザー名)と異なるドメインを取得することも可能です。
http://hatenablog.com/
つまり「はてなブログのサブドメイン≠はてなID」だ。だから例えば私が「http://jkondo.hatenablog.com/」 でブログを開設することだって仕様的には可能だ。現状は早いもの勝ちなのだ。
この状況は、従来からのはてなユーザーを戸惑わせるかもしれない。例えばid:mame-tanukiというユーザーが、id:jkondoという別のユーザーと紛らわしい「http://jkondo.hatenablog.com/」というブログ作れてしまって、はたして良いのか?それは悪意を持った人間に、他人に成りすます簡単な手段を与える事にならないのか?
Akkiesoft
あっきぃ(横浜県)はてなブログ
ちらっと見てると、サブドメインに自分のidと違うものを付けている人って意外と少ない印象。 自分はIDと違うな、普通に名前(akkie)だった。
(2011/11/14 02:45:59)link
daichan330
| )<daichan?はてなブログ
他人がhttp://Akkiesoft.hatenablog.com/ とか使ってたらどう思うよってトコじゃね?まあ1アカウント3つだからサブアカまで使わないとドメイン全て網羅できないけどさ。
(2011/11/14 17:36:58)link
Intermezzo
maya/Intermezzoはてなブログ
自分のIDを入れたら自動で(特に断りもなく)全小文字のURIになりました。 はてなIDは小文字と大文字が区別される仕様です。 つまり"http://他人様のID.hatenablog.jp/"に……。
(2011/11/14 21:30:21)link
だから私も当初は、はてなブログの仕様を変更すべきだと考えていた。
mame-tanuki はてなブログ
「サブドメインはユーザーIDとは別のもの」が公式見解 http://goo.gl/3R0kH だけど、やはり他人のはてなIDをサブドメインに指定できない仕様にすべきでは?
(2011/12/29)link
これに対して公式回答は単純明快だ。
(いまの仕様はわかりませんが)サブドメインは、全ドメインで1つに制限したほうがよいと思います。なりすましっぽい事ができてしまう気がします。
サブドメインはユーザーIDとは別のもの、と考えています
http://blog.hatena.ne.jp/-/feedback/13208692334729889460
「サブドメインはユーザーIDとは別のもの」。確かにその一言で問題は終わりだ。はてなブログはそういう仕様です。従来までのはてなサービスとは違います。基本的にはそれでいいのかもしれない。
しかし、この一文だけでユーザーたち、特に問題に巻き込まれたユーザーたちの戸惑い、不満は解消されるだろうか?もっと説明が必要なのではないだろうか?
まず、問題を整理してみよう。
■トラブル事例
「はてなブログのサブドメイン≠はてなID」によって生じたトラブルの実例を見てみよう。例えば、比較的に著名なブロガー2人がトラブルに巻き込まれている。
ただし後者の場合、はてなIDとはてなブログのサブドメインとが不一致(アンダーバー"_"の有無)なので厳密には「はてなブログのサブドメイン≠はてなID」問題では無いが。
ちょっと面倒な事に「はてなブログのサブドメイン≠はてなID」問題は、ユーザー同士では解決することが出来ない。例の「もとまか変態日記」の作成者が指摘しているように、一度作成された「はてなブログのサブドメイン≠はてなID」なブログを削除しても同じサブドメインで新規にブログを作成することが出来ない仕様なのだ。
間違って作ってしまったブログの削除ができません。 実装予定はないのですか?
匿名
実装しました。 設定 > 詳細設定 > ブログ削除 から削除いただけます。
http://blog.hatena.ne.jp/-/feedback/12704346814673854223
ブログの削除は出来るようになったのですが、今度は削除されたブログと同じ URL で再申請しても「既に存在する ID か、利用できない ID です」というエラーになってしまいます。
匿名
現在はそのような仕様としております
http://blog.hatena.ne.jp/-/feedback/12704346814673864292
【2012/7/22追記】
何時の間にか、削除されたブログと同じ URL での再申請が可能になったようだ。
■「はてなブログのサブドメイン≠はてなID」のメリット・デメリット
ユーザーにとって「はてなブログのサブドメイン≠はてなID」のメリットは何だろう?
やはり、ブログのURLを短くシンプルなものに出来るのは魅力の一つに違いない。特に一つのアカウントで複数のブログを開設する場合。
従来のはてなダイアリーで複数のブログを開設すると、二つ目以降のブログのURLは「d.hatena.ne.jp/アカウント名+任意の英数字」になる。これだと、ちょっと長いURLになる。
例えば、
のように。
一方、はてなブログなら、もっと短いURLを取得する事が可能だ。
しかも将来的には、サブドメインどころかドメイン自体を自由に指定してブログを開設できるようだ。
独自ドメインに絶対対応してください!!
匿名
いずれ独自ドメインに対応できるような設計にしています。
http://blog.hatena.ne.jp/-/feedback/13208692334729888654
つまり、例えば私が「jkondo.jp」というドメインを所有していたとすれば、「http://jkondo.jp/」というURLでブログを開設できるようになるかもしれないのだ。これは便利だ。
独自ドメインだと、SEO効果も期待できる。
では逆にユーザーにとって「はてなブログのサブドメイン≠はてなID」のデメリットは何だろう?
やはり上記したように、悪意を持った人間に簡単に他人になりすませる手段を与えてしまう事が、ユーザーを不安にするだろうし、上記したように実際にトラブルも発生している。
ただ、そもそもアカウント名の文字列で個人を識別するというのは、あまり奨められる方法ではない。現状でも、はてなのユーザーアカウントは大文字小文字を区別する事を悪用して著名なユーザーと紛らわしいアカウント名を取得して混乱させるケースがよくある。
例えば、「id:jkondo」と「id:JKondo」は、文字だけ見ると見間違いやすい。
しかも上記したように、はてなブログが独自ドメインに対応するようになれば、もはやドメイン取得問題であり、はてなのサービスを超えたインターネット一般の問題になる。そのような先の展開を考慮すれば「はてなブログのサブドメイン=はてなID」という縛りを導入する事はあまり意味が無い。
■オープンベータへ移行する前に、もっと説明すべき
しかし、だからと言って「サブドメインはユーザーIDとは別のもの」の一言で済ませるのは問題だ。
10周年を迎えた はてなのサービスのドメインは一貫して、規則性があった。
はてなのサービスは大きく2つのサービスに分かれています
はてなのサービスは大規模な基本サービスと、中規模の個別サービスに分かれています。基本サービスにはアルファベット一文字のサブドメインが付けられ、多くのユーザーにとって基本サービスとなるよう開発が続けられています。個別サービスは複数文字のサブドメインとなっており、基本サービスの補助的な役割や、少し用途が限定されたサービスになっています。特定の目的を持った人が使いやすいサービスとなるよう開発が行われています。
だからユーザーは長年の間、「●.hatena.ne.jp/ユーザーアカウント名/」というURL形式に見慣れてきた。それが、はてなブログで変わろうとしている。はてなブログは、「hatena.ne.jp」という、はてなのサービス共通ドメインを使わない新機軸のサービスだ。これによりサービス共通ドメインを利用する事で生じていた問題点が解決される。
はてなブログでJavaScriptが解禁され、はてなダイアリーとは違いブログパーツが自由に貼れるようになるのも、はてなブログが「hatena.ne.jp」という、はてなのサービス共通ドメインを使わないからだ。
そういう大きな変更点の一端に「はてなブログのサブドメイン≠はてなID」問題はある、と私は理解している。はてなブログのそういう展望、背景を語らずに「サブドメインはユーザーIDとは別のもの」の一言で回答しては、ユーザーは納得しないと思う。もっとユーザーに説明すべきだ。
説明の絶好のチャンスは、著名なid:dankogai氏が問題を提起した 時だった。この記事に応じる形で、id:jkondo氏なり、はてなブログ開発の責任者であるid:onishi氏なりが語るべきだったと思う。少なくとも、一般公開する前に説明すべきだった。
はてなのサービスを使い慣れていない新しいユーザー層を開拓する上でも、分り易い説明は必要だと思う。
さて、サービス共通ドメイン「●.hatena.ne.jp/」を使わない はてなブログは、はてなのサービスの中で画期的なものになるだろうし、そうなって欲しいと一人のユーザーとして思う。サービス共通ドメイン「●.hatena.ne.jp/」を使う従来のサービスは、京都の街で例えるなら碁盤の目に区切られた「洛中」であり、はてなブログは「洛外」と言えるのではないだろうか。古い構造の縛りの無い「洛外」である はてなブログは、ちょうど近世以降に京都の街の玄関口として発達した伏見の町のように、古都はてなに新しい住人、新しい情報の流れの受け口になるかもしれない。そんな事を妄想する「はてな洛中・洛外論」は、またいずれ別記事で。