ブログ文化再興のためには、"念仏"的なものが必要
先日、ブログ文化の再活性化の鍵は更新頻度である という話を書いた。そして、更新頻度が下がる原因の一つは、ブログ記事に求める完成度のハードルを高く上げすぎるからではないかと指摘した。
もちろん、個々のブロガーが自ら高いハードルを設定するのは良いと思う。しかし、ブログサービスの提供者が、「だいたい「プレゼンする人」くらいの人が書く人としての想定ユーザー」 とブロガーに対して高いハードルを示すのは、あまり得策ではない。完成度が低いからとブロガーが自粛して、書きかけのブログ記事の山を築く ことにつながりかねない。そもそも、「プレゼンする」くらいの能力を持ち、尚且つブログを書く時間的余裕があり、しかもブログというメディアでの発信にメリットを感じられる人とういのは、どれだけ存在するのだろうか?あまりターゲットユーザーを絞りすぎては 先細りになってしまう。
これからのブログのあり方として、「自らを鍛え選び抜かれたアルファーブロガーだけが救われる」というビジョンだけでなく、「一切衆生なブロガーもそれなりに救われる」というビジョンの提示も必要ではないだろうか。
■自分自身と機械くらいにしか読まれないブログだってある
このブログを始めた当初に改めて実感したのは、ゼロからブログを新規で立ち上げると最初は本当にほとんど誰にも読まれないのだな、ということ。
「アクセス数2/日」みたいな絶望的な過疎っぷりを久々に味わった…orz はてなダイアリーってSEO的に恵まれてたんだなぁ。>簡易アクセス解析機能 / “はてなブログをオープンベータに移行しました - はてなブログ開発ブログ” htn.to/uaYxL9
— まめ狸さん (@mametanuki) 12月 27, 2011
「アクセス数2/日」の2アクセスというのは、たぶん自分自身のアクセスだ。つまりブロガー本人と検索エンジンの自動巡回ロボットくらいにしかブログを読んでもらえなかったのだ。自分とロボしか居ないだなんて、まるで人類滅亡後に一人生き残っちゃったかのような状況だ。これはちょっと凹む。
幸い、その後このブログの読者は少し増えている。
しかし、全てのブロガーが読者を増やせるとは限らない。ネット上は、ブログを含めコンテンツが益々増えている。一方でネットユーザーがコンテンツ閲覧に費やせる時間が大幅に増えるということはありえない。限られた時間の中で、厳選してコンテンツにアクセスする。読まれるブログと読まれないブログとの格差が生まれ、広がるのは仕方が無い。ずっと、ブロガー自身と検索botにしか読まれないブログだってありえる。
■誰もがブログ修羅道を行けるわけではない
もちろん、より多くのアクセス数を稼ぐために修行を重ねる という道もある。『3月のライオン』7巻を座右に置き「信じて、他のどのライバルよりも1時間長く毎日 努力を続ければ、ある程度迄の夢は、かなりの確率で叶う」と叫び続けるブロガーはカッコイイ。
しかし、何らかの目的を達成する手段としてより多くの人に自分のブログ記事を読ませたい、アクセス数を増やしたい、ましてやそれを目的化して日々あくせくすることだけがブログのあり方なのだろうか。何か別の道もあってよいと思う。
■凡夫ブロガーを救う「念仏」は無いのか?
そんなことを考えていたときにふと連想したのが、浄土宗を開いた法然上人。
@mametanuki 法然以前の極楽浄土は、修行を積んで悟りを開いたエリートや、金をかけて写経したり寺を建立した金持ちしかアクセスできないクローズドな空間だった。それが「南無阿弥陀仏」で誰でもログインできるオープンな空間になったわけか http://htn.to/7TnXfo
— まめ狸さん (@mametanuki) 4月 24, 2011
修行を重ねた僧侶や、寺に莫大な寄進をした裕福な人々だけでなく、あらゆる人にも救われる道があるよと説いた法然上人。同じように、あらゆるブロガーにも救われる道が示されても良いと思う。たとえ、ブロガー自身と検索クローラくらいしか訪れないブログでも、使っていてそれなりに「Fun」&「Creativity」 を感じられるなら、それは素晴らしいことだと思う。
では、自分と検索クローラしか読まないようなブログを書く意味って何があるの?という話は、またいずれ。
【関連リンク】
以前と比べ、ネット上に書き手もコンテンツも満ち溢れ、これまでは比較的に簡単に得ることが出来た「ネット上に自分の考えを発表する面白さ」とういものが益々希少価値化していくのが、これからのブログ界隈ではないかと思っている。
自分にとって、ネット上に自分の考えを発表する面白さって言うのは、賛否に関わらず、自分の意見を元に新たな意見展開がなされることだ。
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